脳内日記

あることないことなんでも書きます。

都会に染まったお肌

 先日皮膚科に行ってきたんだけど、いつもの行きつけとは違うところに行ってきて。なんでかって言うと、まあ、そこの皮膚科はあんまり評判が良くなくて。基本的に人の話を聞かないんだよね、先生が。

 

 私は幼い頃からアトピー性皮膚炎でね。いたるところが痒くて、赤くなっていて、その炎症を抑えるために皮膚科で薬をもらうんだけども、全然人の話聞かないから。毎回同じ薬で、毎回同じ量で。

 

 すっごい少ない量なんだよね。塗り薬なんだけど気合入れて塗れば三日で塗り終わるくらいの量しかくれなくて。三日に一度皮膚科行かなきゃなんないっていう、自分磨きより多いじゃない。波多野結衣より、園田みおんより、先生見る頻度が高いっていう。

 

 まあそんな調子だから、いつ行っても空いてまして。近くに新しい皮膚科が出来たらもう常に閑古鳥鳴いてて。なんなら閑古鳥すら居ないくらいに空いてて。そこの皮膚科は常連しかいないみたいな。みんな顔見知りで、どっかのしがないスナックみたいな感じなんだよねりお年寄りの方しかいなくて、診察している時もみんな声が大きいのかうっすら聞こえてきたりするのよ。

 

患者「いやねぇ、首がちょっと痛くてねぇ」

 

先生「あ、あ、そうですねじゃあこの薬で」

 

患者「いや、これねぇ、ちゃんとつけてるんだけど、なかなかねぇ。効かなくてね」

 

先生「あ、あとは腰ですかね、じゃこの薬で」

 

患者「あら、そうなのよ。先生、最近なんか汗とかすごいかくでしょう。そうするとね、もうすごくて。すごいのよ先生ー」

 

先生「あ、そうなんですねお大事に」

 

 聞いてあげてー。先生。全然話聞かないで、あなたちゃんと薬の種類変えてあげたりしたのかしら。もう酔っ払いをかわすスナックの店主みたいになっちゃって。会話がもう反対咬合かってくらい噛み合わない。

 

そんな感じで診察室から出てくるから、お会計の時なんかも、

 

酔っ払い(患者)「いや最近汗とかすごいかくでしょう、大変でねー」

 

ママ(受付)「そうなんですね1230円になりますー」

 

 話し足りない客と早く店閉めたい店員みたいになっちゃって。まだ飲みたいーみたいな。お客さん終電逃すよほら帰んなって感じに聞こえてきちゃって。なんならほのかにアルコールの匂いがして、私も早く帰んなきゃ嫁にどやされちゃう。

 

そんな感じのお店なんだけどね、まぁ治んない、これが。当然なんだけど、流石に夏で肌の露出が増える季節なんでね、そろそろ治さなきゃなんて、思って。

 

じゃあ新しいとこいこうと、お手並みを拝見させて頂こうと。なんか知らないけど、ちょっとしたアンチみたいな気持ちでね。誰だい商店街近くにデパ地下つくったのは!うちの商店街がシャッター街になっちゃうじゃないの!島を開発するの反対!みたいな、生まれも育ちも地元一筋ですみたいな感じで、行ってきた。

 

凄かったね。もう田舎もんが初めて都会きたみたいな。わー、キレー、人が沢山いるよ。ここが渋谷かー。みたいな。え、この水ただで飲めんのすげーみたいな。

 

んで予約してますかとか聞かれて、予約しないとダメなの!?行列のできる皮膚科!?みたいな、その場ですぐ予約して。

 

 順番がついに来まして、先生登場して、先生の風貌はちょっと芋くさかったんだけど、これ田舎を嫌って飛び出して成功するために努力してきたパターンかなとか思いつつ。診察室入って体見せるために上裸になって、ふむふむなるほどーとかなんとか言った後に、

 

先生「今までどんな薬を使ってましたかー」

 

私「え、えと、こういうやつなんですけど。」 

 

 そう言ってカバンから前行ってた〇〇皮膚科の処方箋みたいの出した瞬間、

 

「ふっ、〇〇皮膚科ね」

 

って言って。え、どういうこと。て思って先生パッと見たら先生嘲笑った顔で、右の口角だけすごい上がってて。怖い。そう思ったのも束の間、

 

「こんなので治る訳ないじゃない。この人皮膚科専門って訳でもないし。この薬も全然ダメ。大体量が少なすぎるわ、来院して儲けようって魂胆見え見え。ほんと何考えてるかわかったもんじゃない。」

 

マシンガントーク炸裂。全身に仕込んだ拳銃でめちゃくちゃ撃ってくる。一方こっちは上裸ですから。もうどんどん傷つく。なんなら退院するときには体の赤み増えてるレベル

 

すごい言われて、こっちはもう唖然としてなんも言葉でなくて、ただ心ではなんか、負けてられないっていうか。心も年を取ったというか、今までの〇〇皮膚科を否定されると自分の人生を否定されたような気になってきちゃって。

 

私「でも素早く薬は出してくれるんですよ」

 

気付いたら言い返してて。そしたら先生が

 

「治ってないじゃない」

 

ぐふぅて感じ。あまりにもパンチ喰らうからこっちもと思って少し踏み込んだら余計喰らうみたいな感じになって。

 

「まず、〇〇皮膚科が出している薬が全然良くないんですよ。うちの後発薬品であんまりよくないんですよ。種類の統一もされてないしこれじゃ治るものも治らない。」

 

またもやパンチの嵐。もうダメージ受けすぎて正直タオル投げ込みたい。ギブアップしたい。そんで

 

「ね、近いし空いてるからって向こう行く人いるんだけどね、結局ここに戻ってくるんだよ。治らないからね。」

 

「あ、へーそうなんですか」

 

「飲み薬とかも一応出しとこうか」

 

「あ、はいそーですね」

 

 おーいここもスナックみたいになってるぞ。私めんどくさくなっちゃって、〇〇皮膚科とおんなじ対応するようになってた。ただ受け流すという。田舎のスナック精神が染み付いちゃってた。

 

しかし白旗上げてんのに凧殴りにされて、朦朧とする意識の中でレフェレリー見たらそいつ買収されてた時くらいには死にそうだった。

えぇ、レフェリー止めてぇぇぇ

ってなってた。ありったけの白いもん全部投げて全力の降参してた。

 

それでやっと診察終わって、薬とか大量に貰って、こっちもうやけくそですから。なんなんあいつはあみたいな感じで塗り続けて一週間。

 

ほぼ治った。

 

○○皮膚科、ありゃダメだな。